医療機器ディーラーとメーカーの違いについて解説します。病院に出入りしている業者としてはどっちも同じに見えるけど実は全然違う仕事をしています。
この違いについて解説致します。
カテ室に出入りしている主な業者は、ディーラーの営業担当者と販売メーカーの営業担当者になります。
実際に病院と取引きをしているのはディーラーになり、メーカーは病院とは直接取引きをしていないけど、自社取り扱い製品を使用してもらう事を目的に情報提供などの営業活動を行っています。
メーカーは自社取り扱い製品を使用してもらう事により、メーカー営業担当者の売上げ成績につながるので、売上げを増やす為の理由で訪問しております。
初期導入製品の臨床使用の立会いや、製品によってメーカーの立会いが必須の製品もありますので、そのような場合はメーカーの人が臨床現場に立会いに来ることがあります。
それでは、まず基礎となる製品販売の基本的な流れを解説します。
病院が製品を購入する流通経路
1、製造会社
2、販売会社(メーカー)
3、ディーラー
4、病院
大まかにこのような流れで製品が製造されてから、病院に納品されます。
製造会社と販売会社(販売メーカー)とは
大半の製品が、製造会社と販売会社の両方を同じ会社名(製造会社:テルモ 販売会社:テルモ このように)になっていますが、なかには製造を他社に注文して、他社が製造した製品を販売しているメーカーや、海外から製品を輸入して販売しているメーカーもあります。
製造を他社に任せてる製品の例
販売メーカーが製品の製造を別の会社に依頼している製品。製造と販売の会社名が異なる。
例えばテルモが販売しているEVTバルーンを例にすると、
・クロスペリオ
・センリ
・メタクロス
この製品は箱に記載されている販売会社は「テルモ」と表記されているが、製造会社名を見ると「カネカ」と書いてあります。これはカネカが製造した製品をテルモが販売しているのがわかります。
海外から日本では未販売製品を、輸入している製品
海外では販売されているが、日本では販売されていない製品を、国内販売するために輸入して販売している製品。なので国内と海外で販売会社が異なる。
例えばニプロとメディコスヒラタを例にすると、
・SeQuent® Please(B. Braun社製)
・oceanus【オセアナス】(iVascular社製)
・luminor【ルミノール】(iVascular社製)
この製品も、製品の箱に製造元が別の会社名が書いてあるので、別の会社が製造している事がわかります。この製品は海外では日本とは別の会社が販売している製品になります。
上記製品の場合、日本の販売権は「ニプロ」「メディコスヒラタ」にあると言います。
医療機器ディーラーとは
ディーラーとは、複数の販売メーカーから製品の仕入れをして病院に製品を販売する卸業者になります。代理店とも言います。
【高度管理医療機器等販売業・貸与業許可】このような資格を有した企業になります。
販売メーカーと病院の間に位置し、中間マージンが収入源になります。
業務の流れ
- 届いた荷物を開ける
- 検品
- 伝票作成
- 車に積み込み
- 輸送
- 納品先へ搬入
- SPDで納品物品の検品と納品
- カテ室へ補充品の納品
- 症例の対応
- 販売メーカーが訪問したら相手する
- 使用物品の確認と補充依頼
- 翌日以降の症例の確認
- 返却物品の引き上げ
- 事務仕事
医療機器ディーラーは1つの病院でも業務量が多いので、1つの病院を数人で担当しているディーラーも多いです。なのディーラーは複数人の担当者を設ける事もあります。
まとめ
距離感
・病院に毎日のように訪問するのはディーラーの営業担当者
・病院にスポットで訪問しているのはメーカーの営業担当者
製品や臨床知識
・広く浅く知識があるのがディーラー
・狭く深く知識があるのがメーカー
まとめ
困ったときは、1番身近にいるディーラーに何でも問い合わせをしてもらえれば、即答できることはいいのですが、できない事も多いので、そこから各メーカーに連絡して情報を正確に伝達できると思います。
まずは近くにいるディーラーへ何でもお問い合わせお願いします。
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